キャベツのお母さんはヨーロッパの北部で冷たい風に揺れていた可愛い菜の花です。1000年ともいわれる長い時間をかけて品種改良され、今私たちが目にするキャベツの形になったそうです。菜花の葉を口にするとピリッとしたキャベツの葉の味がします。日本に入って来たのは18世紀で葉牡丹(はぼたん)甘藍(かんらん)などと呼ばれていました。当初は観賞用だったのですね。今でも葉牡丹は正月の生け花に使われます。
食用として多く食卓に登場するのは明治期に入ってからだそうで、トンカツなどの洋風料理の添え物としてなくてはならぬお野菜になったのは大正期です。意外と新しいおつきあいの野菜です。栄養価はビタミンCが多く含まれ、緑の濃い部分にはカロチンも豊富です。胃腸を守るビタミンUは戦後アメリカで発見されて今では医薬品として製造されています。キャベツの持つ好ましい辛み。この辛みが私たちの免疫力をアップさせる理由らしいのも嬉しいですね。春キャベツ、生でいただくのももちろん柔らかくて美味ですが、ベーコンとスープ煮にしたり炒めたり、お味噌汁の具にと様々な料理法で楽しんでいただきたいと思います。